
ピッチ上での闘争心あふれるプレーと「ポッポダンス」でお馴染みのリシャルリソン。彼の本当の強みと、なぜブラジルで「英雄」と呼ばれているのか知りたいです。
トッテナム・ホットスパーとブラジル代表で背番号9を背負うリシャルリソン。2025/26シーズンも前線での圧倒的な活動量をベースに、チームの守備と攻撃の両面を支えています。ピッチで見せる激しい気性とは裏腹に、私生活では深い慈愛と社会貢献の精神を持つ彼の多面的な魅力に迫ります。
| 選手名 | リシャルリソン (Richarlison de Andrade) |
| 生年月日 | 1997年5月10日 |
| 所属クラブ | トッテナム・ホットスパー |
| 出身地 | ブラジル・ノヴァ・ヴェネシア |
| 身長 / 体重 | 181cm / 71kg |
| 主なポジション | センターフォワード、ウイング |
| 利き足 | 右足 |
| 逆足の精度 | 3(1が最低、5が最高)※出典:EA SPORTS FCシリーズ |
| 背番号 | クラブ:9 / 代表:9 |
- 1.機動力:裏へ抜ける速さと一瞬の爆発力
- 2.強靭さ:相手DFをねじ伏せるフィジカル
- 3.空中戦:ヘディングでゴールを決める力
- 4.テクニカル:難易度の高いプレーをこなす技巧
- 5.突破力:個で局面を打開する推進力
- 6.パス技術:連携をスムーズにする配球の正確性
- 7.得点嗅覚:最高の位置に現れるストライカーの勘
- 8.決定力:確実にゴールを射抜くフィニッシュ力
- 9.活動量:前線からの守備と90分間の稼働力
※Football Managerのデータを参考に独自ロジックで算出。数値は一つの指標・目安としてお楽しみください。
プレースタイル徹底解説

前線から執拗にプレスを仕掛け、空中戦の強さを活かして得点を狙うセンターフォワードです。
・武器:90分間持続する活動量と、相手の死角を突く斜めの走り込み。
・弱点:密集地でのパス判断や、決定的な場面での冷静なフィニッシュに改善の余地があります。
90分間衰えない連続したプレスと、中盤まで降りて守備を補完する献身性
守備の局面において、相手のセンターバックからゴールキーパーに至るまで執拗に追い回し、自由な配球を制限します。これはチームの防御システムの起点として機能しており、2025/26シーズンのデータでも、攻撃陣の中でトップクラスの守備貢献度を記録しています。自陣深くまで戻って相手の攻撃を遅らせる動作は、彼が単なる点取り屋ではなく、チームプレーヤーであることを裏付けています。
相手ディフェンダーとの物理的な接触を厭わず、打点の高いヘディングで合わせる技術
クロスボールに対して、相手のマークを力強く振り切り、空中戦で優位に立ちます。181cmという身長以上に高く見える跳躍のタイミングと、空中で身体を制御する能力により、大柄な守備者に対しても競り勝つ場面が多く見られます。セットプレーの局面では、特定のエリアへ侵入する再現性の高い動きでゴールを脅かす存在となっています。
ボール非保持時に相手の背後へ斜めに走り込み、シュートコースを確保する動き
ボールを持っていない局面で、相手の視界から外れるランニングを繰り返します。特にサイドから中央へ切れ込む動き出しは、味方の中盤から縦パスを引き出すための重要なトリガーです。これにより、自分自身の決定機を作るだけでなく、相手の守備ラインを押し下げることで、チーム全体の攻撃スペースを確保する役割を果たしています。
弱点:密集地での細かいボールタッチや、素早い反転からのシュート動作における精度
ペナルティエリア内の混戦において、ボールを保持する技術自体は高いものの、プレッシャー下での正確なシュート選択やフィニッシュの精度には波があります。今季、プレミアリーグで7ゴールを記録している一方で、ビッグチャンスを逃すシーンも見受けられ、上位のストライカーと並ぶためには、極限状態での冷静さをより安定させることが求められています。
主な在籍クラブと獲得タイトル
- アメリカ・ミネイロ(2015)
- プロデビュー、セリエA昇格に貢献
- フルミネンセ(2016-2017)
- ブラジルU-20代表への招集
- ワトフォード(2017-2018)
- プレミアリーグ初挑戦、全38試合に出場
- エヴァートン(2018-2022)
- クラブ年間最優秀選手(2019-20)
- トッテナム・ホットスパー(2022-)
- コパ・アメリカ優勝(2019)、オリンピック金メダル(2021)
家族と歩んだ物語
リシャルリソンは、ブラジル南東部のノヴァ・ヴェネシアという貧しい家庭で、5人兄弟の長男として育ちました。父のアントニオは石細工職人、母のヴェラ・ルシアは清掃員として働き、家族を支えていました。幼少期のリシャルリソンは、アイスクリームやキャンディーを路上で売り、洗車のアルバイトをして家計を助けていました。かつて「自分は犯罪者になるか、サッカー選手になるかの二択だった」と語るほど過酷な環境に身を置いていましたが、父アントニオが彼の夢を信じ続け、どこへでも試合を観に来てくれたことが彼の心の支えとなりました。16歳の誕生日、フィゲイレンセの入団テストに落選し、片道600kmの切符代を最後のお金としてアメリカ・ミネイロのテストに挑んだ際、「これで落ちたら故郷に帰る場所はない」という背水の陣で見事に合格を勝ち取ったエピソードは、彼の不屈の精神を象徴しています。プロとして成功した後、彼は給与の10%をサンパウロのガン患者支援施設に寄付し続け、故郷の子供たちに数千個の食料パックや教育支援を提供するなど、家族と故郷への恩返しを絶やすことはありません。
知られざるエピソード

ピッチでの暴れん坊なイメージが強いけど、実はカメラの前では泣き出してしまうほどシャイだった時期があるらしいよ。
14歳で直面した、薬物ディーラーによる銃撃の危機
14歳の時、友人と路上でサッカーをして遊んでいたリシャルリソンは、見知らぬ男に銃を突きつけられました。男はリシャルリソンをライバルギャングの構成員だと勘違いしており、「二度とこの場所に来るな、次に来たら撃ち殺す」と脅迫したと言います。この恐怖体験について、彼は後に「もし男が引き金を引いていたら、今の自分は存在しなかった」と振り返っています。この事件がきっかけで、彼は犯罪の誘惑を完全に断ち切り、サッカーという唯一の希望に全ての人生を懸ける決意を固めたのです。
極度の人見知りと「インタビュー恐怖症」の過去
エヴァートンやトッテナムで活発にメディア対応をする今の姿からは想像もつきませんが、ブラジル時代の彼は極度の恥ずかしがり屋でした。アメリカ・ミネイロ時代、クラブのレジェンドとの対談企画が持ち上がった際、あまりの緊張から更衣室に隠れてしまい、監督に「レジェンドに失礼だぞ、出てこい!」と怒鳴られてようやく姿を現したという逸話があります。当時はマイクを向けられるだけで涙を流すほどだったため、監督が「インタビューは週に一度だけ」という特例の保護ルールを作ったほどでした。現在の自信に満ちた振る舞いは、欧州での厳しい競争と、彼が公表したメンタルケア(セラピー)を通じて克服された努力の結晶と言えます。
まとめ
リシャルリソンは、2025/26シーズンにおいてもトッテナムの戦術的な柱として、前線での守備とエリア内での得点関与の両立という困難な役割を果たしています。幼少期の凄絶な経験から培われた不屈の精神と、家族や故郷を守るための強い責任感は、彼のプレーにおける「最後まで諦めない姿勢」の源泉です。技術的な波や判断の課題を抱えつつも、その献身性はチームにとって代えがたい価値を持っており、ブラジル代表としてもクラブにおいても、欠かせない選択肢であり続けると推察されます。


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