
監督の息子という重圧を跳ね除け、今やアトレティコの右サイドに欠かせない存在となったジュリアーノ。その泥臭くも熱いプレースタイルの本質に迫ります。
| 選手名 | ジュリアーノ・シメオネ |
| 生年月日 | 2002年12月18日 |
| 所属クラブ | アトレティコ・マドリード |
| 出身地 | イタリア・ローマ(アルゼンチン国籍) |
| 身長 / 体重 | 180cm / 73kg |
| 主なポジション | MR(右ミッドフィルダー) |
| 利き足 | 右足 |
| 逆足の精度 | 3 / 5(※EA SPORTS FCシリーズ参考) |
| 背番号 | クラブ:20 / 代表:17 |
- 1.爆発力:相手を一歩目で剥がす、圧倒的な初速
- 2.アジリティ:鋭い切り返しや、身のこなしの軽さ
- 3.突破力:1対1でサイドを切り裂く運ぶ技術
- 4.テクニカル:難易度の高いボール操作を可能にする技巧
- 5.ひらめき:相手の予測を裏切る、独創的なプレー
- 6.創造性:敵陣の隙を見抜き、決定機を作るパスセンス
- 7.クロス精度:ピンポイントで中央へ届ける供給力
- 8.決定力:カットインから自ら仕留める、得点の精度
- 9.活動量:サイドの上下動を厭わない献身性
プレースタイル徹底解説

サイドライン際を縦横無尽に駆け抜け、攻守両面でタスクを完遂する献身的なウインガーです。
・武器:絶え間ないプレスを可能にする圧倒的な活動量と、サイドの裏を突く初速の速さ。
・弱点:密集地での細かいボール操作や、パスの配球精度には依然として向上の余地があります。
ピッチを縦断する圧倒的な活動量と献身性
サイドライン際を絶え間なく上下動する圧倒的な走力が最大の特徴です。攻撃時には前線のスペースを突き、守備時には自陣深い位置まで戻ってサイドバックをサポートする動きを90分間継続します。属性値における活動量の高さが示す通り、チーム戦術を遂行するための献身性はリーグでも屈指のレベルにあります。スタッツにおいても1試合平均の走行距離がチーム内で上位に位置しており、数値に裏打ちされたスタミナがアトレティコのインテンシティを支えています。
予測と勇猛さで優位に立つ守備的アクション
攻撃的なポジションでありながら、相手の自由を奪う執拗な守備意識を兼ね備えています。特に相手のビルドアップを制限する際の高い位置でのプレスは、父ディエゴ譲りの闘争心と勇猛さを体現しています。一度ボールを失った直後の切り替えの速さが際立っており、相手に前を向かせない粘り強い対応を繰り返します。これにより、ショートカウンターの起点となる場面を頻繁に創出しており、守備を攻撃の第一歩にする戦術的役割を遂行しています。
サイドの深い位置を突くスピードとクロス供給
最高時速34.1km/hを記録する爆発力を武器に、サイドの裏のスペースを効率的に攻略します。相手ディフェンダーの外側を回るオーバーラップや、ハーフスペースを突くランニングで攻撃に厚みをもたらします。深く侵入した状態からのクロス供給は、2025-26シーズンに記録している5アシストという結果に繋がっており、単純な速さだけでなく、ターゲットを見極める落ち着きも備わり始めています。サイドハーフのみならず、ウイングバックとしての適性も示しており、起用法の幅を広げています。
密集地での技術的精度と判断力の課題
スピードと闘争心で優位に立つ一方で、相手守備陣が整った状況での技術的精度には改善の余地が残されています。密集地でボールを保持した際の細かいタッチや、決定的な場面でのラストパスの選択において、より高い質が求められます。身体の強さを活かしたキープ力はあるものの、より論理的な判断で相手を剥がすプレーの円熟が、今後欧州のトップレベルで定着するための鍵となると推察されます。今後の成長に期待しましょう。
主な在籍クラブと獲得タイトル
- アトレティコ・マドリード(スペイン)
- レアル・サラゴサ(スペイン)※期限付き移籍
- デポルティーボ・アラベス(スペイン)※期限付き移籍
家族と歩んだ物語
ジュリアーノ・シメオネは、現代サッカー界で最も有名な家系の一つに名を連ねています。父は言わずと知れたアトレティコ・マドリードの名将ディエゴ・シメオネ。そして二人の兄、ジョバンニ(ナポリ)とジャンルカもプロサッカー選手という、まさに「フットボールの一族」です。三男であるジュリアーノは、幼少期をイタリアで過ごしたのち、父が指揮を執るマドリードへと渡りました。2025年のインタビューで父ディエゴは、「息子だからといってプレゼントは何もない。彼は誰よりも走り、誰よりも努力して自らの居場所を勝ち取らなければならないことを知っている」と語っています。この厳格な親子関係が、ジュリアーノの泥臭く、妥協を許さないプレースタイルを形成しました。兄ジョバンニとはポジションは異なりますが、常に連絡を取り合い、試合後には互いのプレーを分析し合う仲です。偉大な父の影に隠れるのではなく、その「シメオネ・イズム」をピッチ上で最も純粋に体現する後継者として、家族の誇りを胸に戦っています。こうした血統が生む責任感が、彼の一歩一歩のランニングに重みを与えています。
知られざるエピソード

「監督の息子」として注目される彼だけど、実はアトレティコの下部組織に入る前には、アルゼンチンでじっくりと基礎を固めていた時期があるんだよ。
一つ目は、2019年にアルゼンチンの名門リバー・プレートの下部組織を離れ、アトレティコに移籍した際のエピソードです。当時、未成年者の移籍を巡りクラブ間で議論が起きましたが、彼は「父のそばで学びたい」という一心でスペインへと渡りました。移籍直後はBチームでプレーしていましたが、練習場には誰よりも早く現れ、練習後も居残りでクロス練習を繰り返す姿が関係者の間で話題となっていました。父と同じチームにいるという特権を甘受するのではなく、むしろそれを「誰よりも努力しなければならない理由」として捉えるストイックな性格は、この時期に確立されました。
二つ目は、彼の意外な勝負飯についてです。試合前日には必ず、母カロリーナ氏が作るアルゼンチン伝統の肉料理「ミランネサ(カツレツ)」を食べるのがルーティンとなっています。2025年11月にDAZNのインタビューに応じた際、父ディエゴは「ジュリアーノが活躍した後の夕食は、家族全員でこの料理を囲むのが恒例だ」と明かしています。ピッチ上では「狂犬」のように激しく戦う彼ですが、家庭に戻れば一人の息子として、家族の味を力に変える素朴な一面を持っています。こうした家族の絆が、過酷なプロの世界で戦い続けるための精神的な安らぎとなっています。
まとめ
ジュリアーノ・シメオネは、父譲りの闘争心と、現代サッカーに不可欠な圧倒的な走行距離を武器に、自らの力でアトレティコの主力へと上り詰めました。2030年までの長期契約を締結した事実は、クラブが彼の「献身性」を将来の核として評価している証左です。技術的な精度の向上という課題はあるものの、彼がピッチにもたらす情熱とインテンシティは、今後もチームの戦術的基盤を支え続けると推察されます。


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